『TEEN'S MUSIC CAMP 2025』で憧れの新宿ロフトのステージに立った8組
3月31日に新宿ロフトで『TEEN'S MUSIC CAMP 2025』が開催された。これからの活躍が期待される22歳以下の若手アーティストが集結する本イベントには、オーディションから選出された8組が出演。アローン、もしもFortissimo 、空想楽団、桃子、Gajumaru、Dollar Roar 、KirschBonBon 、ReBrain(出演順)によるフレッシュなステージの模様をレポートする。
トップバッターとして新宿ロフトのフロアをホットにした!千葉発のアローン
トップバッターは、原大地(Gt./Vo.)とアオイ(Dr.)による千葉県柏市発のロックバンド、アローンだ。サポートベーシストを含めた3ピース編成で、疾走感ある楽曲を披露。ステージ前に出て、果敢にオーディエンスを煽る原。快活でエネルギッシュなドラミングで、サウンドの熱を高めるアオイ。アッパーな「大衆邁進」以降の後半戦では、オーディエンスのクラップが次第にボリュームを増していく。「これだけは言わせてください。トップバッター、めちゃくちゃ盛り上げて、今日のイベントを絶対に成功させます!」という原の宣言通り、のっけから新宿ロフトにはHOTな空気が溢れた。

setlist
- 01. 名前のない日々
- 02. Earworm
- 03. おぼろげ
- 04. 大衆邁進
- 05. end credit
- 06. あれから
「あなたの人生のバックミュージックになりたい」と振り幅ある曲を届けたもしもFortissimo(フォルテシモ)
千葉県幕張発の3ピースガールズロックバンド、もしもFortissimo。硬派なロックチューンやソフトなミディアムチューンなど、振り幅のある楽曲を演奏。「あなたの人生の中で、ふとした時に私たちの音楽が鳴ってくれたらいいなと思います。あなたの人生のバックミュージックになりたいです。一緒に人生を歩んで、一緒に成長したいです」と熱い想いを述べる、よな(Vo./Gt.)。3ピースとは思えぬ厚みのあるサウンドと、伸びやかなファルセットやパワフルなロングトーンを響かせ、オーディエンスを惹きつけていく。最後は清々しい笑顔を見せながらドラムを囲んで輪を作り、意気盛んにフィニッシュした。

setlist
- 01. ストラトキャスター
- 02. Cinderella
- 03. かくれんぼ
- 04. 阿呆みたいな日々を抱きしめて
- 05. 銃声は音楽に
- 06. 青春へ
オーディエンスのハンズアップを誘い盛り上げた!空想楽団(クウソウガクダン)
2024年8月結成の名古屋発3ピースポップロックバンド、空想楽団。サポートドラマーを合わせた4人編成での登場だ。ハンドマイクでは陽気にステージを動き回り、ギターを手に持てばクールな表情も見せるHaru(Vo./Gt.)。堂々たる姿で卓越したギタープレイを聴かせるShuya(Gt.)。軽快なステップを踏みながらリズムを鳴らす、いつきまさる(Ba.)。初の東京遠征で緊張していると思いきや、実に伸び伸びとしたパフォーマンスである。ラストのアップチューン「リトルヒーロー !!!」では、オーディエンスのハンズアップを誘い、フロアを盛り上げた。

setlist
- 01. happy mood
- 02. シェイク
- 03. 昼寝️
- 04. 偽愛される
- 05. リトルヒーロー !!!
大阪出身のシンガーソングライター桃子(モモコ)がアコギ1本で響かせたパワフルな歌声
BARステージに登場したのは、東京を拠点に活動する大阪出身のシンガーソングライター、桃子。アコースティックギター1本で昭和歌謡を思わせる楽曲とパワフルで伸びやかな歌声を響かせる。「Joker」以降は同期を用いて厚みを加えたサウンドに。途中、アコギ用のピックアップが外れるトラブルが発生したものの、オーディエンスのクラップを煽り、ピンチを逆手にとってフロアを盛り上げていく。ラストは、1年前に上京した桃子の葛藤や覚悟を詰め込んだ楽曲「東京」を披露。東京で頑張る人へ向けた応援歌でもあるこの曲で、フロアとの一体感を築いた。

setlist
- 01. After5
- 02. 初恋草
- 03. Joker
- 04. 大人になれない僕たちは
- 05. 東京
沖縄から参戦!Gajumaru(ガジュマル)が陽気なサウンドで運んできた南の風
沖縄在住の4ピースロックバンド、Gajumaru。「『TEEN'S MUSIC CAMP 2025』、新宿ロフトに出ることができて、めちゃめちゃ最高!」と述べた彼らは、陽気なサウンドを響かせ、フロアを南国の装いに変えていく。「沖縄の人ってあったかくて、東京でライブやるって言うとみんな来るんですよ(笑)」と言うと、最前列の沖縄遠征組の観客が笑顔でハンズアップする。「ガジュマルの木って幸せを運ぶ木と呼ばれてて、僕らもそんなバンドになりたいなと思ってGajumaruってバンド名にしました」と語った彼らは、沖縄訛りのお茶目なMCも交えながら、新宿ロフトにハッピーな空気を運んだ。

setlist
- 01. もう泣かないでよ
- 02. 罪
- 03. OH MY GIRL
- 04. 18
- 05. 夏余
東京を拠点に活動中。現役音大生バンドDollar Roar(ダラーロアー)が魅せた多彩な音楽
東京八王子発の4ピースバンド、Dollar Roar。現役音大生の彼らは、ロックやジャズ、リズム&ブルースを織り交ぜた楽曲で、スタイリッシュなステージを披露。真っ赤なライトに照らされた4人は、出演条件が全メンバー22歳以下だと思えぬほどに妖艶な空気を醸し出している。一方、オーディエンスに向けて「新宿ロフトに出演させていただきありがとうございます」と挨拶をし、学生らしいハニかんだ表情も見せた。ラストは、この日の前日に自身初のMUSIC VIDEOを公開した「BLUEM」を演奏。サウンドに身を委ねていたフロアから大きな歓声を受け、4人はステージを後にした。

setlist
- 01. SCÅRLET
- 02. Russell
- 03. Aquamarine
- 04. Sunflower
- 05. BLUEM
ガールズユニットKirschBonBon(キルシュボンボン)がBARステージをダンスフロアに!
この日2組目のBARステージへの出演は、梨愛(Gt./Vo)と明音(Ba./Cho)からなる2023年結成の2ピースガールズユニット、KirschBonBon。80年代のリズム&ブルースをベースにした楽曲が特徴的で、圧倒的なクオリティのギター&ベースに、同期も交えてサウンドに厚みをつけていく。「今日は本当にありがとう。最後めっちゃ盛り上げて終わりましょう!」というMCの後に披露されたのは、80年代テクノポップを彷彿とさせる「Tipsy」。ハンドマイクでフロアに飛び出した梨愛はオーディエンスを煽り、ステージでは明音が躍動するベースラインでボルテージを高めていく。ダンスフロアと化したBARステージに大きなハンドクラップが鳴り響いた。

setlist
- 01. Escape!!!
- 02. 祝祭
- 03. YoUSED
- 04. NERD
- 05. Tipsy
憧れの新宿ロフトのステージでツインボーカルも披露したReBrain(リブレイン)
トリを務めたのは、陰山哲平(Vo./Gt.)、柏木深友(Vo./Key.)からなるジャンルレスユニット、ReBrain。サポートのベース&ドラムとともに4人がステージに姿を現す。清爽なポップチューンに身を任せたオーディエンスは、思い思いに楽しんでいる様子だ。「憧れの新宿ロフトのステージに立つことができて本当にうれしいです。またこの場所に戻って来られるように頑張るので、応援よろしくお願いします」と柏木が挨拶すると、フロアから拍手が湧き起こる。ラストは、陰山と柏木のツインボーカルによる「揺藍歌」。陰山のソフトな低音&柏木のクリアな歌声と絡み合うアグレッシブなサウンドで盛り上げ、ティーンズのお祭りを締め括った。

setlist
- 01. 盲黙ハートビート
- 02. 徒然なるままに
- 03. 十三と九と君 (Short ver.)
- 04. Petrichor
- 05. 揺藍歌
この日出演した8組は、ティーンズにとって憧れのライブハウス「新宿ロフト」への初出演を果たした。きっと大きな壁にぶち当たりながら成長していくであろう彼らと、再び新宿ロフトのステージでお目にかかれることを期待したい。
執筆・取材:橋本恵理子
撮影:佐藤 薫