初大阪の​​でらロックでEggs Passオーディション通過組が躍動！​

​​4月6日にでらロックフェスティバル2025大阪編が心斎橋エリア10会場で行われた。​

​​でらロックは毎年冬に名古屋の新栄、栄地区で行われている定番のサーキットフェスの1つ。そんなイベントが今回初めて大阪編、東京編も実施されることとなり、話題を集めていた。

​​今回はその初大阪編にEggsとの共同オーディションを経て出演したspeel plaats、DAYBAG、otona ni nattemo、no moreの4組のライブレポートをお送りする。

​​①speel plaats​

​​登場したayane(Vo.Gt)は一度じっくりフロアを見渡す。そしてメンバーと向かい合い、1つ気合を入れてから4人で音を鳴らし『今日が終わってしまう前に』をスタート。トッパーの1曲目から、長丁場の今日の終わりにも自分達のことを思い出させるという気迫を感じさせる。それに煽られ、自然と拳をあげるフロア。終盤のayaneのアカペラパートからの一層力強さを増したロックメロディには完全に一太刀を入れられた。そんな喰らったフロアをPonz(Gt)のうねりのあるギターで引き込むは『あなたと』。全員によるコーラスも効果的で非常に巻き込み力があり、このバンドのコンセプト”寄り添うよりも、あなたの手を取り今から連れ出す。”を最大限体現したような曲だ。

​​MCでayaneは「あんたらの選択は間違ってないから、任せときな！」と伝え『辿った先』を始めると「私たちにも任してや！」と言わんばかりにPonzとkoto(Ba)も前に出る。もうここら辺では4人は完全に動物的にロックバンドをやっている感じで、楽器からではなく、その熱くなった体から叫ぶように音が出ているようだった。『言い訳』からノンストップで繋いで「新曲やります！」と『零れた約束』を披露。歌詞に＜朝焼け＞という言葉もあったが、溢れんばかりの光が世界を包み込むような感覚を確かにさせる楽曲だった。

​​ayaneは「最高だよみんな！」と伝え、京都のバンドとして名古屋のでらロックが関西に来てくれたこと、そして見に来てくれたことに感謝を伝える。そして「あなたのバンドになりますように！」と叫び『mirror』へ。解放感のあるメロディにサビのフレーズのフックの強さ、そして「いつまでもずっとそこにいるって思ってたらアカんで！」という曲中の言葉に、このバンドが普段から常に全力でライブをしているのが分かった気がした。そして「絶対に置いていかないから」という言葉と共に、Ryo(Dr)も思わず立ち上がって始まった『夢の最果て』を聴くと、やはりこれからも希望を託したくなる自分がいた。「出会ってくれて、選んでくれてありがとう！」と叫び、大きな拍手に包まれライブは終了した。

​​フロアを見ると7人ほどの海外の方も非常に楽しまれていた。speel plaatsの歌う”あなた”に国境はない。

​​②DAYBAG​

​​オシャレなSEからそのまま繋いで『TOO』からスタート。小谷日菜子(Key)の少し寂しげさもあるキーボードの音色がバンドのアンサンブルによって徐々に色付いていく。足し算だけでなく、要所に引き算もあって、メロディが進むたびに気持ち良さが増していくところに、このバンドの展開力の高さを改めて感じさせる。歌声も木村宗風(Vo.Gt)の滑らかなボーカルのみならず、北村宇翔(Gt)と小谷の男女コーラスを入れるポイントもしっかり考えられているだろう。続いて「自由に楽しんでください」と伝え始まった『ぼうけんのしょ』でも、息の合ったグルーヴ感が会場を包んだ。それを増強させたカラフルな照明も見逃せない。​

​​今日のDAYBAGはMCはほぼなくノンストップ。息つく間も無くニキ(Sup.Dr)の力強いシンバルが鳴り出し、昨年夏以降キラーチューンに成長した爽快なサウンドを持つ『アイリス』へ。フロアからのクラップやサビで上がった拳は美しい景色だった。まだまだこの曲が届くことで開かれる未来はあるだろう。キラキラとした後味を残しながら『快速急行』にも急いで乗車。そのキラキラにワクワクも乗っかってきて、これは頬を綻ばせずにはいられない。ビーチで遊んで、そのまま大きな商業施設に来た感じ。海の近い商業施設はこの曲を使うべきである。

​​『another』はタフなバンドサウンド。北村のギターソロはもちろん、谷口仁(Ba)と小谷も全身で演奏する姿が印象的。途中それを見ながらゆっくり水を飲む木村がシュールだったが、ここまでノンストップでエモーショナルに歌っていたことを忘れさせる自然体さは評価されてしかるべき。谷口のベースを弾いている姿も、高速指捌きや振り乱す頭を見れば非常にスタミナが必要そうだが、曲の温度感はしっかりベストをキープしているベースになっているのがすごい。そして「今日は本当にありがとうございました、DAYBAGでしたー！」と伝え『Second』をラストに演奏。少しゆったりとしつつも朗らかな楽しさは隅々まで充満し、カラフルに爆発していた。

​​スッと耳に馴染むカラフルなポップメロディが沢山で、自然と気分が高まる彼らの音楽。やっぱり商業施設で流れていたら財布の紐が緩むと思う。​

​​③otona ni nattemo

​​​​東京は渋谷から、2度目の大阪でのライブとなるotona ni nattemoは『under20』からスタート。徐々にボルテージを上げていくこの曲。一真(Vo.Gt)のボーカルも次第に熱を帯び、サビ前には「でらロック、おいで！」と叫び、力強いサビを聴かせる。みやけん(Gt)も歌うパートで衝動をぶつけてきた。しっかりと目の前にいる”君”に響かせ『告ぐ』と優しさを感じるナンバー『pray』を続けた。2月末に老舗インディーレーベルKOGA RECORDS内の新レーベルへの所属を発表したが、その認めさせた実力を感じさせる、地に足が着いた等身大のロックサウンドを高い熱量で届けていく。​

​​MCで一真は「今日あなたと出会えたことをすごくすごく大切に覚えていながら、次大阪に来た時に「あぁ、あの日出会えててよかったな」ともらえるように、30分きっちりやって帰ります」と伝え、新曲『解けない』を届ける。終盤に急着火するパートも含め、彼ららしいバラードナンバーと言っていいだろう。その終盤の火力そのままに、いやさらに刻んだビートで薪を焚べて大きく燃えていく『おやすみモード』、さいとう(Ba)も含めた3人の歌い出しから始まった『keep it blue』が続く。彼らを生で聴いていくと、一見シンプルな4ピースに見えるが、独自のギターロックとポップ、パンキッシュさが融合しており、一筋縄ではない緩急もあって、なかなか味わい深い炎がある。それを可能にするフロントの正規メンバー3人のコンビネーションには、まだまだメッセンジャーとしての奥深い側面が隠れていそうだ。もちろんまりん(Sup.Dr)の笑顔で力強く叩くドラムも良いアクセントになっていた。※その後正式加入を発表。

​​フロアへ感謝を伝えながら最新MV曲『映画みたいな』へ。この時期にぴったりな新生活の背中を押す歌は、生で聴けばその熱量も加わり、しっかり勇気をもらえる。そして途中のMCに嘘はなく、ラストナンバー『otona』を最後まで力を振り絞って演奏した。

​​他でどんなステージがあったかは分からないが、この時間の青春ロックの中心地はotona ni nattemoであったことは自信を持って伝えたい。1歩ずつ進んでいく彼らに注目だ。

​​④no more​

​​リハーサルから盛り上げて明るい空気感の中、1曲目『君よりの心』のイントロをSE代わりに、そのまま演奏開始。くに(Vo)が歌に入ると早速クラップが起こるフロア。くにからは歌う幸せに溢れてるし、がみ(Ba)とのり(Sup.Gt)も曲中に接近し合うなど楽しそう。ドラムを叩きながら頻繁に声を出すばやし(Dr)も当然楽しそう。しかしサウンドは30分間屈強。くにの綺麗なボーカルとのコントラストを生んでいた。途中にはコールアンドレスポンスも。後方からも”I LOVE YOU”の声がしっかり生まれて「いいねー！」とメンバーも歓喜。

​​「折角だからさ、もうちょっと前来れる？一緒に楽しもうぜー」とフロアを促し『星座』へ。透明度を増した歌声はライブハウスに夜空を見せる。曲の持つ清涼感がどこまでも連れていってくれるようで、たしかに私たちは”宇宙船no more号”に乗っていた。「お前たちー最高だぜー」と、どこかの亀のようにくにが伝えて次は『ROCKLOCK』。体揺らすナンバーでサビでは手を横に振る。各パートのソロ演奏もあり、しっかりno moreのロックを見た。続く『僕が君を僕のように愛すから』では「ジャンプしてもらおうかな？」とまた新しい楽しみ方を提案するメンバー。レクチャーでは「運動してる？」「まだ恥ずかしがってるねー」とフロアとのコミュニケーションも楽しく取れており、おかげで本番は迷いなくしっかり飛び跳ねる！演奏後は「みんなに拍手！」。全員で作り上げていた。​

​​MCでは「福岡から来て心細かったけど、さすが大阪ノリがいいです」と感謝し、バラードナンバー『会いたい』へ。しっかりとその歌声で純愛を伝えた。先ほどまでとは違った姿で、このバンドの持つ幅を感じる。最後は「あなたの夢や目標が叶いますように」と願いを込めて『笑われた夢』を力強く、そして彼ららしく明るく、このエールソングを届けた。

​​事前に私もどのようなバンドかは情報を仕入れていたつもりだったが、先日までしっかりツアーを重ねただけあって歌モノロックバンドとして想像以上に仕上がっていた。フロアは女性が多かったが、男性も一緒に彼らと夢を追いかけたくなる”男友達ワクワク感”がある。25日にはEX THEATER ROPPONGIにも立ち、変わらず楽しくロックしたとのこと。これからもいろんな人に魅力が伝わってほしい。